研究課題
デバイスの機能の解明には、サブμm厚さの薄膜の非破壊的評価法が必要である。本研究では超音波原子間力顕微鏡やレーザー顕微鏡を実用的なセンサ用薄膜の評価に適用して非破壊的剥離解析における有用性を実証することを目的とする。今年度はボールSAWセンサにおいて(i)燃料電池関連ガス用のPt/ZnOスパッタ膜および(ii)極性揮発性有機化合物用の界面活性剤感応膜を検討した。尚、(ii)については高感度化の手法を探索する過程で紫外線照射したランガサイトの表面が極性ガス分子の検出に有用なことを見出した。(i)について耐水蒸気性を検証するために、ZnOとPtがそれぞれ200nmおよび5nmの感応膜を持つセンサにおいて水付着前後に水素ガスの検出限界を測定した。その結果、水の付着による検出限界の増加は見られず、共にサブppmの検出限界を有することがわかった。膜を観察すると剥離のような欠陥は見つかなかったことから、この感応膜が劣化しなかったことが実証された。(ii)について軸外スピンコート法によりガスクロ固定相用の界面活性剤を成膜した。膜は柔らかく多孔質だった。ガスクロ固定相は高濃度のガスを吸収すると膜が膨潤することが知られているが、成膜したセンサでは数千ppmと高濃度のブタノール(厚労省の作業環境基準25ppm)に晒しても感度の劣化は見られなかった。従って剥離は生じなかった。このようにセンサ感度と膜観察の両面から研究を行うことで、本研究課題の目的を達成することができた。
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