• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

切口面高品質化と局部応力緩和を用いた超高張力鋼板のプレス成形性の向上

研究課題

研究課題/領域番号 21760582
研究機関豊橋技術科学大学

研究代表者

安部 洋平  豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 講師 (60402658)

キーワード材料加工・処理 / 塑性加工 / 高張力鋼板 / プレス加工 / 穴広げ / 伸びフランジ
研究概要

近年,産業界では自動車部品の軽量化に伴い,車両重量の1/3を占める車体部品に比強度の大きな高張力鋼板の利用が拡大している.600MPa級までの鋼板は比較的延性に富むため実用されているが,800MPa以上の鋼板や1000MPa以上の超高張力鋼板では延性が非常に低くなり,割れが生じて産業界では問題となっている.
一般的に車体部品は生産コストの低いプレス成形により得られている.車体部品は板材を絞り,せん断にされ,板材の端をフランジ曲げされて成形される.曲げ条件により曲げ端部が伸ばされる伸びフランジとなり,引張応力によりフランジ割れが発生する.端部縁はせん断された切口面となっているために切削による切口面よりも延性が半減して割れが生じ易く,延性の低減量はせん断加工条件によって影響される.
伸びフランジ性は一般的に穴拡げ試験により評価され,高張力鋼板の伸びフランジ性に関しては,鋼種による影響,せん断クリアランスの影響,切口面周囲の引張応力の勾配の影響の調査が行われている.また,向上法には,コイニング,シェービング,穴周囲の焼鈍による方法が報告されているが,超高張力鋼板に有効化は明確でない.
一方では,伸びフランジ部の引張応力の低減により割れを防止できる.一般的には,引張応力を緩和するために伸びフランジ部の曲率半径の増加や製品の曲げ長さの減少により対応している.しかし,製品形状が大きく変わってしまうために利用が難しいことが多い.
延性が非常に低い超高張力鋼板のプレス成形性を向上するために,切口面高品質化と局部応力緩和を行なった.超高張力鋼板の伸びフランジ性の評価法を行うために,穴拡げ試験を行った.また,製品形状をほぼ同じになるような金型に傾斜をつけて引張応力を緩和して割れを防止する傾斜パンチによる伸びフランジ成形を導入して超高張力鋼板のプレス成形性を向上させた.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 超高張力鋼板の破断面平滑加工による穴広げ性の向上2011

    • 著者名/発表者名
      安部洋平, 池田豊, 森謙一郎
    • 雑誌名

      塑性と加工

      巻: 52-603 ページ: 485-489

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 逐次接触パンチによる超高張力鋼板の伸びフランジ成形性の向上2011

    • 著者名/発表者名
      安部洋平, 乗田克哉, 森謙一郎
    • 雑誌名

      塑性と加工

      巻: 52-604 ページ: 569-573

    • 査読あり
  • [学会発表] 冷間プレス成形におけるサーボプレスの利用2010

    • 著者名/発表者名
      安部洋平
    • 学会等名
      第5回サーボプレス研究会
    • 発表場所
      豊橋技術科学大学 D棟617室
    • 年月日
      2010-11-25
  • [学会発表] サーボプレスと超・高張力鋼板の板成形2010

    • 著者名/発表者名
      安部洋平
    • 学会等名
      日本塑性加工学会 第282回塑性加工シンポジウム「サーボプレスの現状と展望」
    • 発表場所
      電気通信大学 総合研究棟301室
    • 年月日
      2010-05-29

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi