「光学的全視野ひずみ計測法」を利用した計測システムを確立し、平均結晶粒径の異なるアルミニウムを用いて引張試験を行い、くびれ進展挙動を調べた。平均粒径1.7μm以上の試料では、破断伸びが30%以上を示した。これらの試料では、くびれ発生直後は、試験片平行部全体が変形しており、変形が進むにつれ変形する部分が狭くなり、破断直前に局所的なくびれが生じて破断に至った。一方、0.24μmの平均粒径の材料は、破断伸びが9%と非常に小さく、くびれ発生直後に試験片平行部のごく狭い領域で進展し破断した。以上のことから、粒径が1μm以下の非常に小さい場合には、粒径が大きい場合よりも、くびれ変形が一部で急激に進展するために破断延性が低下することが明らかとなった。
|