本研究で提案するコーティングシステム(Nb基合金/Re(-Nb)基合金/アルミナイド)を検討するうえで、平成21年度は1500℃で真空雰囲気による超高温熱処理実験の条件確立のため、試料作製方法や実験装置の改良を行った。また、Nb基合金に適したバリア層の基本系を決めることが重要であるため、その基礎となるNb-Re基三元系実験状態図、特にNb-Re-Al、Nb-Re-Cr、Nb-Re-W、Nb-Re-Ptについて実験的検討をすすめた。以下に、得られた成果を要約する。 (1) 1500℃で真空雰囲気(6×10^<-5>Pa)にて100hrの超高温熱処理実験を達成した。 (2) Nb-Re-Al系:Re-Nb系χ相には10at%Alを固溶するため、第三元素の添加により固溶量を低下させる必要がある。 (3) Nb-Re-Cr系:χ相とNb固溶体相のタイライン組成が一部決定された。 (4) Nb-Re-W系:χ相およびσ相とNb固溶体相のタイライン組成が一部決定された。 (5) Nb-Re-Pt系:Re-Nb系χ相には5at%Ptを固溶するため、第三元素の添加により固溶量を低下させる必要がある。 これらの結果より、バリア層の基本系はRe-Cr(-Nb)基合金を第一候補として今後検討をすすめる。 動力学的検討に関しては、Nb/X(X=Re、Cr、W、Mo、Pt)拡散対をSPS法により作製し、1500℃で最長50hr保持した後、氷水中へ急冷する拡散対実験を行った。その結果、Nbと他の元素(Cr、W、Mo、Pt)からなる反応層の厚さを比較すると、Re-Nb系χ層の成長は非常に遅いことが明らかになった。
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