本研究で提案するコーティングシステム(Nb基合金/Re(-Nb)基合金/アルミナイド)を検討するうえで、平成22年度はNb基合金に適したバリア層の基本組成を決定するため、1500℃における拡散対実験および熱処理実験から検討を行った。以下に、得られた成果を要約する。 ■拡散対実験 ・SPS法により作製したNb/Re拡散対を1500℃で1、5および50hr保持した後、氷水中へ急冷した。接合界面に形成するRe-Nb系χ層の成長は非常に遅いが、χ層は脆性を有することが明らかになった。 ■熱処理実験 ・拡散対実験の結果から、Re-Nb系χ相の脆性を抑制するため、バリア層成膜プロセスの観点からもRe-Cr-Nb系を基本組成とした。 ・Re-Cr-Nb三元系状態図に関して、1500℃の等温断面図を実験的にほぼ決定した。 (1)1500℃で240h熱処理後に急冷した各試料から、各相の共役組成が得られた。 (2)χ相とα相の共役組成より、χ相へのCr固溶量は約40at%と予想される。 (3)χ相とσ相の共役組成より、σ相へのNb固溶量は約2at%であった。
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