本研究が提案するバリアコーティング(Nb基合金/バリア層(Re基合金)/アルミナイド/(Al_2O_3皮膜)に関して、実験による状態図の作成および拡散対による拡散パスの決定から、コーティングシステムの構造について検討した。 ■実験によるRe-Cr-Nb系状態図 ・γ固溶体相とχ相、χ相とσ相およびχ相とα固溶体相のタイライン組成がそれぞれ明らかになった。 ・χ相とσ相のタイライン組成より、σ相へのNb固溶量は約2at%であった。 ・χ相とα固溶体相のタイライン組成より、χ相へのCr固溶量は約40at%であった。 ⇒これらの各相のタイライン組成は、Nb基合金とバリア層との相関係を明らかするための基礎的な情報である。 ■1500℃におけるRe-W-Nb系χ相へのPtおよびAlの固溶挙動 ・5at%Pt添加した合金によるχ相へのPt固溶量は、約3at%であった。 ・5at器Ptおよび25at%Al添加したRe-Nb-W合金によるz相へのAl固溶量は約2at%であり、Ptは全く固溶しない。 ⇒χ相にAlが含有していない場合、Ptを固溶する。一方、χ相にAlが含有している場合、Ptを固溶しないことが明らかになった。 ■拡散対による拡散パスの決定 Nb上にReめっきを施し、熱処理によりNb上に形成するRe-Cr(-Nb)系合金層を形成させた。これらの結果から、Nbとバリア層の層構造について、以下のことが得ちれた。 ・1300℃で6min熱処理後、Re-Cr-Nb系χ相が約5μmの厚さで層状に形成した。 ■総括 ・Nb上にRe-Cr(-Nb)系バリア層を適用する場合、成膜プロセスの観点から、Cr拡散処理法によりx層を形成させることが達成でき、χ層上にアルミナイド層を形成させることが可能となった。
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