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2009 年度 実績報告書

膜工学に立脚した生体適合性マイクロカプセルの薬物放出制御と自己分解性の概念の創出

研究課題

研究課題/領域番号 21760605
研究機関工学院大学

研究代表者

赤松 憲樹  工学院大学, 工学部, 助教 (50451795)

キーワードマイクロカプセル / ミクロスフィア / 膜乳化 / SPG膜 / キトサン / アルギン酸 / 生分解性 / 単分散
研究概要

平成22年3月終了時点で,アルギン酸カルシウム粒子をコアとし,キトサンをシェルとしたコアシェル型ミクロスフィアを調製し,その後コアを溶出するという手法により,粒径が数ミクロン程度の中空構造を有するキトサンマイクロカプセルが合成されることを示したが,同時に,特定の実験条件で合成したところ,粒径が100nm程度の中空キトサンナノカプセルが合成されることを明らかにした.さらに詳細な検討をするため,種々の実験条件を系統的に変化させながら合成を行ったところ,コアとなるアルギン酸カルシウム粒子の原料であるアルギン酸ナトリウムを事前に加水分解により低分子量化し,さらに物理的な弱い静電相互作用によりキトサンを架橋したときのみ,100nm程度の中空ナノカプセルを得ることができることが明らかとなった.この粒径収縮メカニズムを詳細に追跡したところ,加水分解したアルギン酸ナトリウムを用いると,アルギン酸カルシウム粒子のBET表面積が増加し,これは粒子が多孔構造を有するためであることが分かった.この高い表面積のためアルギン酸溶出のための反応面積が大きくなり,これによりアルギン酸溶出速度が速くなることが明らかとなった.これに加えて,物理的な弱いキトサン架橋を利用しているため,キトサンの粒径も自在に変化し,アルギン酸溶出のためキトサンは固定足場を失い,粒径が急激に収縮する,ということが分かった.また加水分解したアルギン酸ナトリウムを原料としたアルギン酸カルシウム粒子が多孔構造を有するのは,加水分解により生じたマンヌロン酸リッチな分解物が開孔剤として作用する可能性が高いことが強く示唆された.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Preparation of monodisperse chitosan microcapsules with hollow structures using the SPG membrane emulsification technique2010

    • 著者名/発表者名
      K.Akamatsu, et al
    • 雑誌名

      Langmuir

      巻: 26 ページ: 14854-14860

    • 査読あり
  • [学会発表] 膜乳化法を用いたキトサン中空マイクロカプセルの合成と架橋法が中空構造に与える影響2010

    • 著者名/発表者名
      赤松憲樹、陳為、鈴木幸光、伊藤大知、菅原孝、菊地隆司、中尾真一
    • 学会等名
      化学工学会第42回秋季大会
    • 発表場所
      同志社大学
    • 年月日
      2010-09-06
  • [学会発表] SPG膜乳化法を用いた単分散中空キトサンマイクロカプセルの調製2010

    • 著者名/発表者名
      赤松憲樹、陳為、菅原孝、菊地隆司、中尾真一
    • 学会等名
      日本膜学会第32年会
    • 発表場所
      産業技術総合研究所臨海副都心センター
    • 年月日
      2010-05-13

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公開日: 2012-07-19  

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