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2009 年度 実績報告書

毛管相分離現象に起因するナノ細孔内超高速移動現象の解明と化学工学モデル化

研究課題

研究課題/領域番号 21760615
研究機関(財)電力中央研究所

研究代表者

神田 英輝  (財)電力中央研究所, エネルギー技術研究所, 主任研究員 (90371624)

キーワード化学工学 / 反応・分離工学 / メゾスコピック系 / 表面・界面物性 / シミュレーション工学
研究概要

分子シミュレーションにより、スリット状ナノ細孔内で、2種類の異なる種類の液体A,Bを『毛管相分離』状態で平衡にする。その際、液体A,液体Bに相当する、粒子数の割合を変えることで、バルク領域の液体A,Bの濃度条件が異なる状態を作り出した。バルクにおける低濃度成分の濃度が低い条件では、毛管相分離の2液体のメニスカス界面が著しく歪み、界面の曲率半径が小さくなることが明らかになった。これに対して、濃度が高い条件では、メニスカス界面は細孔入口付近で僅かに歪むだけで、界面の曲率半径は大きくなることが明らかになった。メニスカス界面の曲率半径が小さいほどLaplace効果が強く働き、界面を挟んだ2つの相の間に、大きな圧力差を生じさせる。従って、毛管相分離した凝縮相ではメニスカス界面の曲率半径が小さいほど内圧が低くなる。これら異なるメニスカス凝縮相を半分に切りとり、これを上下に仕切板を挟んで接続したシミュレーションを設計した。そして、仕切板を外した後のメニスカス凝縮相の移動挙動を把握可能にした。これにより、通常の液相拡散速度を遙かに上回る、ナノ細孔内での『凝縮液』の『超高速移動現象』を現象論的に正確に把握することが可能になった。また、2種類の異なる種類の液体A,Bが接触する界面では、分割面を挟む形で両隣に張力面が発生することを発見した。また、副次的ではあるが、スリット状ナノ細孔と液体A,Bの3つが同種である特殊な状態では、液体八Bの通常の固液相転移温度でも凝固せず、また、三重点はGibbs-Thomson則に従うことが明らかになった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Triple point of Lennard-Jones fluid in nanopores with zero excess pore wall energy2009

    • 著者名/発表者名
      神田英輝、宮原稔
    • 雑誌名

      Adsorption Science & Technology 27

      ページ: 735-743

    • 査読あり
  • [学会発表] 分子シミュレーションを活用したナノ細孔内三態相平衡・液液相平衡の熱力学モデルの構築2009

    • 著者名/発表者名
      神田英輝
    • 学会等名
      第23回日本吸着学会研究発表会
    • 発表場所
      豊橋技術科学大学(愛知県)
    • 年月日
      2009-11-27
  • [学会発表] ナノ細孔内における液液相平衡挙動のモンテカルロシミュレーションと熱力学モデル化2009

    • 著者名/発表者名
      神田英輝、牧野尚夫
    • 学会等名
      化学工学会第41回秋季大会
    • 発表場所
      広島大学(広島県)
    • 年月日
      2009-09-17

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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