研究課題
本研究では、ドライプロセスの一つである化学蒸着(CVD)法を用い、金属塩化物・有機金属錯体・金属アルコキシド等をビルディングブロックとし、逐次的にCVD処理を施すボトムアップ型アプローチにより、各種固体表面上での原子・分子レベルで異種の遷移金属酸化物種を複合化した光触媒活性点の構築、それらのキャラクタリゼーション、および紫外光・可視光照射下における光触媒反応特性について検討を行った。(1)シリカ、アルミナ、ゼオライトやメソ多孔体のCVD処理時のガス圧・温度・水和時間などの各種パラメーターを制御することで、四配位構造の遷移金属酸化物種(例えば、Ti種とCr種など)を積層・複合化した二元系光触媒の調製に成功した。(2)一酸化炭素の酸化除去反応において、調製した触媒が四配位構造のTi種・Cr種を単独で固定化した系に比べ高い光触媒活性を示し、可視光照射下でも機能することを見いだした。また、エチレンの光重合反応では、反応の誘導期が短縮すると共に、反応速度も大きく向上することがわかった。(3)XAFS、ホトルミネッセンス、紫外・可視吸収測定などによるキャラクタリゼーションから、四配位構造の酸化物種の積層・複合化がそれらの電子状態に摂動を与える事を示唆するデータが得られ、本触媒系が特に四配位構造の酸化物種のレドックスの関与する反応系にて有効であることを明らかにした。以上のように、本研究では、逐次的にCVD処理を行うことで、四配位構造の遷移金属酸化物種を積層・複合化した二元系光触媒の調製に成功し、それらが紫外光・可視光照射下で優れた光触媒作用を示すことを明らかにできた。
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