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2009 年度 実績報告書

人工機能性分子の酵素修飾による蛋白質の細胞内および細胞膜への導入と細胞機能の改変

研究課題

研究課題/領域番号 21760634
研究機関東京大学

研究代表者

山口 哲志  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (80398106)

キーワード酵素 / ポリアルギニン / 脱エンドソーム / 転写因子 / 細胞資源
研究概要

蛋白質を自由自在に細胞に導入する技術が整えば、細胞機能の制御がより直接的に設計通りに行え、細胞資源の大量調製プロセスの効率が向上すると考えられる。しかしながら、蛋白質の生理活性を損なうこと無く細胞内に導入し、細胞内の目的の場所で機能させることは、既存の技術では容易ではない。そこで、酵素反応を用いて細胞内導入用合成分子を部位特異的に修飾し、目的蛋白質を失活させずに効率良く細胞内に導入する方法を確立すること、を目的とした研究を行った。近年、蛍光色素を修飾したポリアルギニンペプチドは、細胞内に取り込まれた後に強い励起光を照射すると細胞質に放出されることが報告されている。そこで、ポリアルギニンに蛍光色素を修飾し、ペプチド連結酵素によって連結可能な配列を付加した色素修飾ポリアルギニンを合成した。これをペプチド連結酵素によって蛍光蛋白質(EGFP)のC末端に修飾し、細胞に導入した。その結果、励起光を照射した場合のみ、EGFP蛍光が細胞質全体に拡がり、設計通りに目的蛋白質を細胞質に送達できることが示された。また、この方法は、細胞に与える毒性が低いことも確認した。これより、ペプチド連結酵素によって色素修飾ポリアルギニンを部位特異的に修飾する方法が、蛋白質の活性を損なうこと無く細胞質内に蛋白質を送達する簡便な方法であることが示された。次に、今回開発した技術の応用研究を開始した。iPS細胞関連遺伝子の発現産物である4つの転写因子を細胞外で調製して、今回開発した方法を用いて体細胞の核に導入するという方法に取り組むことにした。ヒト由来のiPS細胞関連転写因子Sox2、Oct4、Klf4、c-Mycの遺伝子を購入し、大腸菌を用いた大量発現・精製系を構築した。研究実施計画に従って、次年度に、これらの転写因子群を上記の方法を用いて体細胞に導入する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 部位特異的ポリカリオニック分子修飾による蛋白質の細胆内導入2010

    • 著者名/発表者名
      山口哲志, 等
    • 学会等名
      化学工学会第75年会
    • 発表場所
      鹿児島大学
    • 年月日
      2010-03-20
  • [学会発表] 樹状細胞による抗体アンカーリング癌細胞の貧食と癌細胞特異的免疫の活性化2009

    • 著者名/発表者名
      山口哲志, 等
    • 学会等名
      化学工学会第41会秋季大会
    • 発表場所
      広島大学
    • 年月日
      2009-09-18

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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