今年度は我々が開発した放線菌の遺伝子組み換えシステムをベースに、以下の2点について検討を行った。 [1] タンパク質の培養上清への分泌生産 これまでに分泌シグナルとして使用してきている放線菌由来フォスフォリパーゼD(PLD)の分泌シグナルを用いて、PLD酵素の分泌特性を検討した。その結果、疎水性領域に転変異を導入することで、分泌生産能力を約1.5倍上昇する事に成功した。また、多様なタンパクに対して同分泌シグナルを適用したところ、放線菌由来のタンパク質複種において、PLD同様に高い分泌生産を可能とした。 [2] タンパク質の菌体表層への表層提示 細胞膜のペプチドグリカンに対して結合性を有するタンパク質を用いて、遺伝子工学的に目的タンパク質と融合した分泌生産系を構築完了した。次年度はこれらの発現系に関して、分泌生産、および表層提示能力について検討を評価していく予定である。
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