研究課題
放線菌は、抗生物質、そして工業用酵素を分泌生産することが可能な、工業的利用価値の高い微生物である。更に、放線菌は抗生物質に代表される複雑な化学構造を有する生理活性物質を生産可能であることも良く知られている。本研究では、我々が開発した放線菌の遺伝子組み換えシステムをベースに[1]タンパク質の培養上清への分泌生産[2]タンパク質の菌体表層への表層提示[3]放線菌"自体"を化学品合成の生体触媒に利用するシステム(放線菌セルファクトリー)の構築を行った。結果、[1]に関しては多様なタンパク質(トランスグルタミナーゼやセルラーゼ)の発現に成功した。[2]に関しては、表層提示用のアンカーたんぱく質の探索を完了した。そして「3」に関しては、安息香酸系の化合物である桂皮酸のグルコースからの直接生産に成功した。以上から、放線菌から生産されるタンパク質(もしくは放線菌自体)を工業的に利用が可能となるバイオプロダクションのプラットフォーム開発を行う事が出来た。今後は、医薬品前駆体などの生産を1種類の放線菌のみを用いて効率的に発酵生産することが可能とするバイオプロセス開発を行う。
すべて 2011
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)
Biotechnology Letters
巻: 33(4) ページ: 727-731
Journal of Industrial Microbiology and Biotechnology
巻: 38(5) ページ: 643-646