研究課題
宇宙テザーシステムでは、通常のワイヤ状のシングルラインテザーのみならず、導電性などの機能を備えたテープ型テザーを用いることにより高機能なシステムを構成することが見込める。本提案研究では、信頼性の高いKmオーダーのテープ型テザー展開技術の開発を目的とする。粘弾性モデルによる折り癖の表現も含め、これまでの研究成果である折りたたみ型展開機構を2次元に拡張して収納効率・設計効率の大幅な向上を図ると同時に、その展開性能を実験的に評価することを目的とする。当該年度は、テープ状のテザーを二次元に折りたたむため、クロスシフト方式による折り方採用した折りたたみ/展開装置を開発、試作した。これは、折りたたみのためにテープテザーに接するテザーガイド板を定荷重ばねで支え、手動によりテザーの折りたたみを行う装置である。テザー幅方向異動ノブ&クランプノブでテザー幅方向の位置を決め、ハンドルを稼働させることによりテザーを折りたたむ。このとき上下動クランプノブと左右動クランプノブを作動させ、もう片側のテザーガイド板をスライドさせることによりテザーを重ねることができる。重なったテザーはラボジャッキ上にあるプレートに上に収納され、折りたたみを繰り返し厚みが増えた場合に、ラボジャッキの高さを調節することができる。この装置により、当初検討していたクロスシフト折りによる収納が可能になった。一方、数値解析では、テープテザーをマルチボディにモデル化して方程式を導出し、展開の再の挙動を解析した。ここでは、テザーを要素が等間隔で並べ、それぞれの要素間をバネとダンパでつなぐモデルを用いた。
すべて 2009
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (10件)
ISTS Special Issue, Transactions of JSASS, Space Technology Japan
ページ: 71-74
ページ: 95-104