研究概要 |
観測ロケット実験で用いられたテープテザーの収納可能容量を増大させるために、2次元クロスシフト折りとよぶ新しい収納方法を考案した。クロスシフト折りにおける、シフトピッチ幅が収納効率と展開効率に及ぼす影響を、収納ボックスを作成し実験的に検討した。 1)シフトピッチ幅は、テープテザーの幅に対して、折り返したシフトさせた比率と定義した。収納ボックス内のテープテザーは、クロスピッチ幅により、折る回数や堆積する段数が変化する。そこでクロスピッチ幅ごとの収納効率を4種類(0.5, 1.0, 2.0, 3.0)のクロスピッチ幅について検討した。その結果、シフト量が小さい場合、テープテザーの折部分同士の重なりが大きなり増厚するものの、収納ボックス体積に対する収納効率の低下は少なくて済むが、逆にシフト量が大きいと折り目部分同士の重なりは減り、テザー形状は秩序良く保持されるものの、収納効率は悪化することが確認された。 2)収納ボックスから展開されるテープテザーの展開抵抗を4種類のクロスピッチ幅と2種類の幅の出口ガイドについて実験計測した。その結果、出口ガイドが小さくなるほど、またクロスピッチ幅が小さくなるほど、展開抵抗が大きくなることが確認された。 1)2)の結果を踏まえ、検討した収納ボックスサイズにおいて、展開抵抗と収納効率の両面から考慮した最適なクロスピッチは2.5付近であるという結論を得た。
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