研究概要 |
"超軽量かつ高収納率を有する新たな大規模宇宙構造システムの実現"を目的として,以下の2つの課題に対して研究を行い成果を得た. 課題1:内圧維持型のマルチセルインフレータブル構造の基本特性の評価 汎用的な基本構造要素として,マルチセルインフレータブルサンドイッチパネル(板要素)を対象とし,その機械特性の評価を行った,第一段階として,これらの構造要素の近似解析解を導出すると同時に,実験を実施し,提案のインフレータブル構造の比剛性を明らかにした.特に,マルチセルインフレータブル構造をサンドイッチパネルのコア材として利用した場合について,内圧が曲げ剛性に与える影響を真空槽内での曲げ試験によって明らかにした.さらに,マルチセルインフレータブルサンドイッチパネルにおけるフェースシートの曲げ剛性への寄与を実験的に確かめ,従来のサンドイッチパネルの理論式との比較を行った. 課題2:マルチセルインフレータブル構造の展開挙動ならびに形状制御 マルチセルインフレータブル構造の中でも,収納時から内部ガスを封入したタイプの構造要素に対して,膜面の破損に対する展開機能の展開挙動を実験により明らかにした.複数のセルの膜面が破損しても展開機能が維持できることを示した.また,準静的な安定な展開挙動を実現するための指針を得た.さらに,展開後のマルチセルータブル形状について,柔軟なbending actuatorを組み込むことで,内圧の変化を利用した形状制御機構を提案し,その有効性ついて,解析及び実験を通じて検証した.
|