研究概要 |
昨年度までの結果を踏まえて,マルチセルサンドイッチパネルのスケールモデルを製作し,熱真空槽内において機械特性の評価試験を実施した.3点曲げ及び4点曲げの試験結果から,曲げ剛性および剪断剛性を評価した.その結果,せん断剛性が予想値に対して上回ることと,ローカルな厚み方向の変形が,曲げ変形に影響を与えることが判明した.サンドイッチパネルのフェースシートの厚みを変更することで,ローカル変形に対する対策とはなるが,さらなる大型化においては,これらの厚みの影響が無視できないため,さらなる改良が必要となる.次に,太陽電池パドルの支持構造としてマルチセルインフレータブル構造を適用し,その性能を評価した.その結果,目標としていた面密度以下での剛性維持が可能であることが確かめられ,革新的な軽量かつ剛性の高いパネル構造としての基礎特性が明らかになった. また,当初は内圧維持型マルチセルインフレータブル構造であるがゆえに,複数セル間の温度ムラによる内圧分布がパネルをゆがませるという懸念があったが,熱変形試験と解析から,内圧分布が生じた場合でも,サンドイッチパネルとしての面外変形には感度が低いことが判明した. 最後に,マルチセルインフレータブルに関する形状制御の検討を継続的に実施し,理論式に基づく特性評価と要素試作による実験的な評価を行い,形状制御ができることを確かめた. 以上,本年度の申請課題については違成されており,次年度以降は,さらなる応用課題についての実施を予定している.
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