研究概要 |
船舶の機関システムは,複雑なプラントであるため,モジュール化設計によって入出力を絞り込み,標準化する設計手法が有効である.機関室の開発をモジュール単位に分割することによって,モジュール単位での設計改善や性能最適化・品質保証を可能とし,システム開発を「モジュールの組み合わせ」にすることができる.モジュールの分割位置は,モジュール単位で開発可能な品質や,各モジュールの実装密度,および各モジュールの入出力に影響を及ぼす.このため,モジュールの分割を決定する問題は重要問題であるが,論理的な設計法は現在提案されておらず,待望されている状況にある. そこで本年度では,機関システムの設計とモジュール分割を支援するための,計算機システムを実装した.機関システムとモジュール分割の,計算機上の表現モデルを提案した上で,機関室を表現する系統図をネットワーク群によって表現し,機関室のモジュール分割問題を,ネットワーク群の切断問題として定式化した. モジュール単位で開発可能な機能や品質,各モジュールの実装密度,および各モジュール間の接続の容易性に影響を及ぼすため,適正化が必要である.そこで本年度では,提案する機関室のモデルに基づき,モジュール分割支援システムを提案し,計算機上に実装・検証した.機関室全体の設計例に適用することで,モジュール化のメリットを最大限に発揮するための,モジュール単位での機能の独立性を高め,機関室全体での情報量を最小化する分割の導出可能性を検証した.
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