研究概要 |
今年度は以下の項目について検討を行った. 1.昨年度に引き続き,有限要素法で用いるisoparametric要素のアイディアを用いたISUM要素の開発および精度検証を実施した.従来,一艘的なISUM要素は矩形であるが,船体構造にはさまざまな形状のパネルが存在する.そこで,矩形板以外のISUM要素を開発するためにisoparametric要素の形状関数を活用して台形状のISUM要素の開発および精度検証を実施した. 2.新しいISUM要素定式化のため非線形有限要素法を用いた最終強度解析を実施した.防撓材形状,防撓材高さ,防撓材寸法を変化させたパラメトリックスタディを実施した.一般的に,船体構造パネルは周期構造として解析が実施される.解析領域の範囲に関する適切な境界条件の検討を行った. 3.開発中のISUMシステムの妥当性を検討するために,船体構造パネル,二重底,コンテナ船を模擬したISUMモデルによる解析結果と非線形有限要素法解析結果の比較を行った.非線形有限要素法には陰解法,陽解法それぞれを用いて検討した. 4.ISUMを用いた全体崩壊解析を実施する際,非線形解法において結果が収束しない問題が発生することがある.この問題に対して非線形方程式に粘性項を追加し,従来収束性の問題において解析が困難な問題に対する解決法を検討した. 5.パネルの局所変形を考慮した新しいISUM要素に関する検討を実施した.
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