海水中の銅状態を把握するために、生物の毒性に関係するlabile銅と溶解している全銅の分析法の開発を行い、2010年から2012年にかけて東京湾を中心として銅濃度分布の実態調査を行った。東京湾での計測結果は、labile銅がN. D.~3.68ppb、全銅がN. D.~4.87ppbであった。また東京港では、labile銅濃度の上昇が見られ、このエリアは船舶からの溶出した銅の影響を受けている可能性がある。また東京湾でのlabile銅の最大値は、銅に敏感な生物の毒性値と同じレベルにあるので、今後も海洋中の銅について監視と管理が必要である。
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