研究概要 |
V型成形爆破線(Linear Shaped Charge)は,ライナーの周辺に配置されている爆薬が爆発することで発生するノイマン効果により,直線状の金属ジェットが発生する.この金属ジェット生成メカニズムの解明を行い,V型成形爆薬線を応用した生産井・還元井の再生技術の開発を提案するため,平成21年度としては,下記の実験を行い成果を得た.高電圧放電装置からの衝撃大電流による細線爆発を利用した起爆方法を利用し,V型成形爆破線が起爆,金属ジェットが生成されることを確認した.また,PETN爆薬,C-4爆薬を用いたV型成形爆破線の生成部について,高速度ビデオカメラを用いた光学撮影実験を行い,生成部の状況を現す写真を得ることができ,金属ジェットの生成メカニズムに関する知見を得た.起爆細線の数および起爆位置(上面・片端)を変更した実験を行い,それぞれの起爆方法において金属ジェットが生成されていることを確認した.上面起爆の場合,金属ジェットが直線状ではなく多少歪であったため,侵徹性能が低下していた.そのため,片端からの起爆が最も良好なジェットが得られると考えられる.金属ジェットの侵徹前後の光学撮影実験を行い,飛翔速度,ジェット形状について知見を得た.また,円弧状V型成形爆破線に対応するため,貼り合わせで製作したV型成形爆破線について光学撮影実験を行い,良好なジェットが生成されることを確認した.また,衝撃解析ソフトを用いて数値解析を行い,光学撮影結果との比較検討を行い,数値解析では現せていない部分について知見が得られた.
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