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2010 年度 実績報告書

藻場再生技術へのバイオマス資源の有効利用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21760682
研究機関東京大学

研究代表者

山本 光夫  東京大学, 教養学部, 特任准教授 (30361512)

キーワード未利用バイオマス / 藻場再生 / 堆肥 / 腐植物質-鉄錯体 / 錯形成能 / 構造解析 / 鉄溶出特性 / 製鋼スラグ
研究概要

未利用バイオマス資源(草木系バイオマス)から得られる堆肥の藻場再生技術への利用可能性に対する基礎的知見を得るために、本年度は腐植物質の鉄との錯形成能評価、構造解析、そして鉄溶出特性評価を行った。腐植物質の試料としては、アカシア、カラマツ、リンゴ、稲わらの4種類から作製した堆肥を用い、錯形成能評価と構造解析については堆肥から分画・精製したフミン酸についての検討を行った。
鉄との錯形成実験においては、条件錯形成定数と錯形成容量について、4試料(堆肥)間の評価とともに現在藻場再生技術に実際に使われているバーク堆肥(人工腐植物質)との違いについても検討・考察し、各試料の錯形成能に関するデータを得ることができた。構造解析については、元素分析(C,H,N,O,S,Ash)、平均分子量測定、官能基分析(全酸度滴定、FT-IR)、紫外可視分光スペクトル測定を行った。元素分析結果では、O/Cをはじめとして試料による特徴が見られたほか、官能基分析結果からは試料間の構造の違いが確認された。これらの構造的特徴が鉄との錯形成能に影響することが推察された。一方で鉄溶出実験においては、藻場再生技術への利用を視野に入れ、製鋼スラグと堆肥試料を混合し、4試料と人工腐植物質についてその溶出特性の違いを検討した。その結果、本研究で作製した堆肥試料と製鋼スラグの混合物でも、人工腐植物質と製鋼スラグとの混合物からの鉄溶出量に近い溶出量を示すものが見られ、藻場再生技術への利用可能性が示された。
このように本年度は、草木系バイオマスの藻場再生技術への有効利用に向けた有用な基礎データを得ることができ、昨年度の成果と合わせ、当初の研究目的に沿った成果を得ることができた。今後、実際の利用に向けて水槽やフィールドでの海藻生育試験を行うことで、本研究成果が更に活かされることが期待できる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 木質系バイオマス堆肥化由来の腐植物質における構造特性と鉄錯体形成能との関係性2011

    • 著者名/発表者名
      山本光夫、福嶋正巳
    • 学会等名
      化学工学会第43回秋季大会
    • 発表場所
      名古屋工業大学(予定)
    • 年月日
      20110900
  • [学会発表] 木質系バイオマスの堆肥化による腐植物質生成と鉄との錯形成能評価2011

    • 著者名/発表者名
      山本光夫、木之下彩子、木村才樹、福嶋正巳
    • 学会等名
      化学工学会第76年会
    • 発表場所
      東京農工大学
    • 年月日
      2011-03-24
  • [学会発表] Restoration of Seaweed Beds by Supplying Iron-Humate from Steel Slag and Humus Materials2010

    • 著者名/発表者名
      Mitsuo Yamamoto, Masami Fukushima, Keishi Otsuka, Takeshi Komai, Dan Liu
    • 学会等名
      The International Chemical Congress of Pacific Basin Societies (PACIFICHEM 2010)
    • 発表場所
      Hawaii Convention Center
    • 年月日
      2010-12-18
  • [学会発表] 鉄分供給による海洋環境改善2010

    • 著者名/発表者名
      山本光夫
    • 学会等名
      鉄鋼スラグ海域利用に関するシンポジウム
    • 発表場所
      東京大学山上会館
    • 年月日
      2010-12-06

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公開日: 2012-07-19  

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