核融合炉の液体ブランケットでは、液体増殖材と気相との気液界面において高温融体から発生した金属等の蒸気が発生する事が推定される。この蒸気の化学的特性や蒸気下における構造材料の共存性に関する情報は限られている。金属リチウム(Li)等の蒸気の混在する高温のガス雰囲気では、その高い化学的な活性度から、一般的な液体金属腐食の機構とは異なる腐食メカニズムを持つことが推測できる。 平成21年度は、高温の蒸気を発生させ、腐食試験を実施する為の装置を開発した。また、腐食試験において材料表面に付着したリチウム等の金属元素の微量分析の手法を開発した。更に使用する液体増殖材中の酸素濃度を測定する技術の開発を開始した。本年度実施する研究の目的は、金属蒸気中の腐食試験を実施し、金属蒸気の挙動を明らかにする事である。
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