研究課題
核融合炉のブランケットシステムにおいて溶融塩LiF-BeF_2(Flibe)や液体金属(Li,Pb-Li)を自己冷却型トリチウム増殖材として用いる事が検討されている。これらの液体増殖材と気相との気液界面において高温融体から発生した金属等の蒸気が発生する事が推定される。この蒸気の化学的特性や蒸気下における構造材料の共存性に関する情報は限られている。金属リチウム(Li)等の蒸気の混在する高温のガス雰囲気では、その高い化学的な活性度から、一般的な液体金属液体中の腐食の機構とは異なる腐食メカニズムを持つことが推測できる。液体ブランケットシステムに加え、LiやLi-PbのIFE液体第一壁、MFE液体ダイバーター、IFMIFのLiターゲット部においても金属蒸気による腐食が生じる可能性があり、本研究はこれらのシステムにおいても重要である。本研究の目的は、高温の液体金属や溶融塩から発生する蒸気の基礎特性を理解し、その材料腐食の明らかにすることである。そこで、高温の蒸気を発生させ、腐食試験を実施する為の装置を開発した。この装置では、金属蒸気場の条件として重要な蒸気圧を、蒸発物冷却回収法により求める機能も有している。腐食試験において材料表面に付着したリチウム等の金属元素の微量分析の手法を開発した。試験片表面に生成される腐食生成物や析出物の量により、イオンクロマトグラフ法とICP発光分析法を使いわけることで、試料成分の分析精度への干渉が少ない状態で、精度よく測定できることがわかった。
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