研究課題
近年計算機の急速な発達により、入力に対し、わずかな時間の間に数値シミュレーションを実行し結果を出力するリアルタイムシミュレーションが可能となってきた。リアルタイムシミュレーションの応用事例として、核融合実験炉のモニタリングが挙げられる。モニタリングを行うためには、実験装置が稼働中常時計算を行う必要があるが、しかしながら、高性能計算機の代表例であるスーパーコンピュータは複数人で時間をシェアリングしながら利用するため、このようなニーズにマッチしない。このような問題を解決するべく、従来とは異なる設計思想で開発された高い計算能力をもつCellプロセッサーを用いる事で、常時モニタリング用の計算を行うことのできるシステムの開発を目指す。H23年度では、H21年度に研究を行ったモニタリングシステムのなかでも最も計算時間のかかる箇所である行列固有値ソルバーの高速化と、H22年度に研究を行った行列生成部の高速化について、研究成果を結合することでモニタリングシステムに必要なシミュレーションを行うことをできるようにし、加えて、常時監視に必要な計算能力が得られているかどうかを実問題を解くことで確認した。その結果、行列生成に1秒、固有値計算に1秒とプラズマの固有閉じ込め時間から導かれる目標である2~3秒以内の計算完了を達成した。これにより、核融合炉実験炉のモニタリングを行うために必要な計算能力が達成できたと言える。
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World Academy of Science, Engineering and Technology
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The proceedings of International Conference on Computational Science 2011
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Progress in Nuclear Science and Technology
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