3価アクチノイドが炭素系材料に選択的に吸着され、ランタノイドから分離される現象に着目し、それらの各種炭素材料への吸着機構を明らかにすることを目的とする。 経験則ながら、ピリジン環構造を有する分離試薬が3価アクチノイドの選択的分離に有効なものの一つであることがわかっているため、本年度は、3価アクチノイドに対する選択性をさらに向上させるべく、窒素を含む芳香族環を含む炭素材料を調製し、3価アメリシウム及びユウロピウムの吸着挙動について調べた。窒素含有炭素材料への吸着挙動は、それらの調製温度により異なり、400℃以下の温度で調製したものにはほとんど吸着が起こらなかった。一方、600℃以上で調製したものにはpH1.2から3.8の硝酸水溶液から3価アメリシウム、ユウロピウム共に吸着することを明らかにした。またこの時、3価アメリシウムが選択的に吸着されることがわかった。こめ時得られた分離係数は、活性炭やグラファイトなどを吸着剤として用いた場合に比べて高い値を示し、窒素部位が吸着に寄与していることが示唆された。
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