3価アクチノイドが炭素系材料に選択的に吸着され、ランタノイドから分離される現象に着目し、それらの各種炭素材料への吸着機構を明らかにすることを目的とする。本年度は特に、雰囲気制御下で合成した新規炭素材料への吸着機構を明らかにすることを目的と掲げていたが、昨年度末に起きた震災の影響で研究内容を変更した。 1.合成のための電気炉のグローブボックス内への設置が震災の影響で遅れたが、設置は成功し、試運転を安全に行うことができた。来年度以降、新規炭素材料の合成を行い、その吸着性能を調べる。 2.活性炭へのウラン(VI)及びプルトニウム(IV)の吸着挙動を調べた。どちらの元素についても溶液のpHの増加に伴い活性炭への分配係数(K_d)が増加することを明らかにした。また、これまでに調べてきた3価アクチノイド及びランタノイドなどと比べた場合、どちらの元素についても充分に大きなK_dであり、3価金属イオンとの分離も可能であることがわかった。
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