本研究の目的は、マイクロパターンガス検出器のひとつであるマイクロピクセルチェンバー(μ-PIC)を用いた中性子検出器を製作し、モンテカルロシミュレーションによる最適化により、高感度中性子イメージング法を開発することである。今年度は、プロトタイプ検出器を製作し、中性子の入射方向を決定するガス増幅部の設計及び製作を行なった。ガス増幅部及び検出器の改良作業は埃の無い場所で行なう必要があるため、簡易のクリーンブースを購入し、開発作業環境を整えた。また、FPGAエンコーダーボード(座標演算装置)を購入し、荷電粒子の位置情報、時間情報を計算できる読み出し環境を整えた。現在、GEANT4を用いて検出器の性能評価に必要なモンテカルロシミュレーションのプログラムを製作している。今後はガンマ線(Co-60)及び中性子線源(Cf-252)を用いて検出器の動作確認を行ない、ガス増幅部及び検出器部(μ-PIC)の高電圧設定値の最適化を行なう。
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