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2010 年度 実績報告書

水素吸蔵合金充てん層内の膨張収縮現象を考慮した層内熱物質移動予測モデルの確立

研究課題

研究課題/領域番号 21760720
研究機関九州大学

研究代表者

濱本 芳徳  九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (20334469)

キーワード水素 / 可視化 / エネルギー貯蔵 / 吸蔵放出 / 膨張収縮 / 熱物質移動 / シミュレーションモデル
研究概要

水素吸蔵合金層への水素の吸蔵・放出過程において、層の膨張・収縮現象にともなって変化する層の空隙率を用いて、層の有効熱伝導率と伝熱面と層の間の接触熱抵抗を推算しながら層内の温度分布と吸蔵放出量を予測する理論解析モデルを作った。層内で一次元また二次元的に熱移動が生じる系を対象とした本モデルの計算値を実験値と比較した結果、膨張・収縮を考慮すると全般に再現性が向上した。なお、有効熱伝導率の推算には、吸蔵量が大きく変化するプラトー領域で熱伝導率が顕著に変化する傾向を再現する式を、接触熱抵抗の推算には、粒子径、空隙率および圧力に依存する式をそれぞれ適用した。接触熱抵抗の推算式は抵抗を過小評価する傾向があり、計算値に及ぼす影響が小さいこと、仮に抵抗値を大きく与えた場合、計算値は実験値に近づくものの、吸蔵(高圧)時の抵抗値が放出時のそれを上回ってしまい、物理的に熱抵抗だけでは説明がつかないことが分かった。この傾向は一次元でも二次元でも同様であり、今後、モデル化では熱伝導と接触熱抵抗以外に層内の熱抵抗を考慮する必要がある。次に、水素吸放出時の可視化実験により、層内に生じるひび割れの発生条件、様相および層に占めるひび割れ部の割合を調べた。なお、層は充填層断面の様子が奥行き方向に一様と見なせる薄い層である。ひび割れは、水素放出方向に対して斜め方向に生じ、同じ場所にできやすいこと、また、ひび割れ部の割合は、放出速度を大きく(圧力を急減)すると増加し、最大で0.2%であること、そして、引き続いて放出速度を小さくした条件で吸放出を繰り返すと次第にその割合は減少することが分かった。さらに、ひびの割合が有効熱伝導率の低下に及ぼす影響を、熱伝導の直列熱抵抗モデルを用いて推算した結果、最大67%まで低下した。微小なひび割れが層内の熱移動に大きく影響することが推察された。最後に二次元系の可視化実験装置の設計を終えた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Estimation of effective thermal conductivity of metal hydride packed bed considering expansion/contraction during adsorption/desorption process2010

    • 著者名/発表者名
      Y.Hamamoto, et al.
    • 雑誌名

      Innovative Materials for Processes in Energy Systems

      ページ: 440-446

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 水素吸蔵合金層の熱・物質移動に及ぼす膨張・収縮の影響2010

    • 著者名/発表者名
      仮屋圭史, 他4名
    • 雑誌名

      2010年度日本冷凍空調学会年次大会講演論文集

      ページ: 611-614

  • [学会発表] Estimation of effective thermal conductivity of metal hydride packed bed considering expansion/contraction during adsorption/desorption process2010

    • 著者名/発表者名
      Y.Hamamoto
    • 学会等名
      IMPRES Innovative Materials for Processes in Energy Systems
    • 発表場所
      Furama Riverfront Hotel(Singapore)
    • 年月日
      2010-12-01
  • [学会発表] 水素吸蔵合金層の熱・物質移動に及ぼす膨張・収縮の影響2010

    • 著者名/発表者名
      濱本芳徳
    • 学会等名
      2010年度日本冷凍空調学会年次大会
    • 発表場所
      金沢大学 自然科学本館(石川県)
    • 年月日
      2010-09-17

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公開日: 2012-07-19  

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