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2009 年度 実績報告書

テトラヒメナと大腸菌からなる実験室内共生系の創出と解析

研究課題

研究課題/領域番号 21770022
研究機関大阪大学

研究代表者

森 光太郎  大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 特任准教授 (40344840)

キーワード進化 / 生態学 / 微生物 / 細胞内共生 / テトラヒメナ / 実験進化
研究概要

本研究は、もともと共生関係にない繊毛虫テトラヒメナと大腸菌を用い、栄養のやり取りによって必須相利共生する系を構築し、さらに人為選択によって細胞内共生系を創りだすことを目的としている。複数の相利共生系を構築するため、テトラヒメナの必須アミノ酸11種と大腸菌アミノ酸合成系遺伝子欠損株6株の要求アミノ酸3種についてそれぞれ一つずつ抜いた培地を用い、66通りの組み合わせで共培養を行った。その結果、30通りの組み合わせにおいて、単独で培養した場合よりも双方の個体群が増加し、必須相利共生関係を示すことがわかった。培地から抜くアミノ酸によって相利関係のできやすさに違いあった。これは双方の細胞からの供給のしやすさの違いが関係していると考えられる。このうちの一つの組み合わせについて、人為選択を行った。まず、浮遊している大腸菌のみが排除される培養系を構築した。この系ではテトラヒメナ細胞内に大腸菌がとどまらないと培養系から大腸菌が排除され、テトラヒメナも長く生存・分裂することができない。次にこの選択系を使って共培養を人為選択にかけ、両個体群動態を追跡し、またテトラヒメナ細胞内に大腸菌がどのように保持されるかを顕微鏡観察した。選択が進むにつれて、テトラヒメナ個体群は増加または維持され、一方、大腸菌個体群は減少していった。テトラヒメナ細胞内については、始めに未消化の大腸菌を保持する細胞が増加し、さらに選択が進むと、食胞外に大腸菌を保持する細胞が出現した。テトラヒメナは素早く動き回っていることから正常に生存しており、また大腸菌は長く伸びているものが多いことからテトラヒメナ内で生存していると考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Global/temporal gene expression analysis of Escherichia coli in the early stages of symbiotic relationship development with the cellular slime mold Dictyostelium discoideum2009

    • 著者名/発表者名
      Kumiko Kihara, Kotaro Mori, Shingo Suzuki, Naoaki Ono, Chikara.Furusawa, Tetsuva Yomo
    • 雑誌名

      BioSystems 96

      ページ: 141-164

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 生命システム探究への構成的アプローチにおけるFACSの応用

    • 著者名/発表者名
      森光太郎・角南武志・伊藤洋一郎・柏木明子・四方哲也
    • 雑誌名

      BD FACS Review 9(印刷中)

  • [学会発表] テトラヒメナと大腸菌からなる細胞内共生系の実験的構築に向けて2009

    • 著者名/発表者名
      森光太郎・四方哲也
    • 学会等名
      第4回日本進化原生生物学研究会
    • 発表場所
      宮城教育大学
    • 年月日
      2009-07-04

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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