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2009 年度 実績報告書

共生細菌が昆虫に賦与する植物適応の生理・分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 21770029
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

土田 努  独立行政法人理化学研究所, 松本分子昆虫学研究室, 基礎科学特別研究員 (60513398)

キーワード共生微生物 / アブラムシ / 寄主植物適応 / 植物-昆虫間相互作用 / ケミカルエコロジー / メタボロミクス / 微生物動態解析
研究概要

本研究では、エンドウヒゲナガアブラムシの内部共生系を実験対象とし、共生細菌Regiella感染によって賦与される宿主昆虫の植物適応機構の実態と、その生物機能が特定植物(シロツメクサ)においてのみ有効に発揮される機構について明らかにすることを目標としている。本年度は、アブラムシが唯一の餌とする植物師管液の組成の植物間での比較解析と、餌植物と共生細菌の体内動態の関係を明らかにするための解析を行った。1)純粋な植物師管液の採取が非常に困難であったため、植物自体を安定同位体標識し、そこからどのような物質がアブラムシに取り込まれるのかを明らかにするための方法を開発した。これまでに、効率的な植物体の標識方法、サンプルからの化学物質抽出法や、さらには物質の検出・同定のためのNMRを用いた化学物質の網羅的検出法の開発を行った。本法の開発により、実際に昆虫によって摂食される化学物質を網羅的かつ定量的に比較できるだけでなく、Regiella感染によって賦与される代謝経路について明らかにできると期待される。2)定量PCRを用いて、Regiella感染が宿主に適応度を賦与するシロツメクサ、および賦与しないカラスノエンドウを餌としたときの、アブラムシ体内での必須の共生細菌Buchneraと任意共生細菌Regiellaの存在量を解析した。その結果、Regiellaの存在量は餌植物を変えても変化しなかった。一方、Buchneraの存在量はカラスノエンドウを餌としたとき著しく減少したが、シロツメクサでは減少が見られなかった。このことから、シロツメクサへのアブラムシの適応にはRegiellaによる機能賦与だけでなく、Buchneraとの複雑な相互作用が関与していることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Quenching autofluorescence of insect tissues for In situ detection of endosymbionts2009

    • 著者名/発表者名
      Koga Ryuichi, Tsuchida Tsutomu, Fukatsu Takema
    • 雑誌名

      Applied Entomology and Zoology 44

      ページ: 13-16

    • 査読あり
  • [学会発表] 昆虫に植物適応を賦与する共生細菌の体内動態解析2010

    • 著者名/発表者名
      土田努、古賀隆一、深津武馬、松本正吾
    • 学会等名
      日本応用動物昆虫学会 第54回大会
    • 発表場所
      千葉大学・西千葉キャンパス(千葉県千葉市)
    • 年月日
      2010-03-26

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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