研究課題
花粉管ガイダンスは、植物の生殖や穀物の生産を支える重要な機構である。本研究では、in vitro花粉管ガイダンス実験系のモデル植物Torenia fournieriを用いて明らかになりつつある花粉管ガイダンス因子の知見をふまえ、その分子が野生の植物種ではどのような分子進化を逐げ機能しているか、明らかにすることを目指した。昨年度までに、近年当研究室の研究により明らかとなった、Torenia fournieriにおける花粉管ガイダンス因子TfCRP1のオーソログ遺伝子をこれらの近縁植物から単離することに成功している。本年度はそのうちT.concolorの胚珠cDNAから単離されたTcCRP1遺伝子のコードするタンパク質を精製・リフォールディングし、その花粉管誘引活を検討した。TcCRP1タンパク質は濃度依存的に同種の花粉管を誘引した。また、T.fournieriの花粉管に対しては低い誘引活性を示した。さらに、TfCRP1タンパク質のT.concolor花粉管に対する誘引活性は同種の花粉管に対する物よりも低いことも閉らかになった。このことからTcCRP1はT.concolorにおける花粉管誘引物質であり、CRP1は同種の花粉管に対して強い誘引活性を示すことが示唆された。これらの成果をまとめて論文として発表した。なお、本年度の研究は、震災の影響をうけ、平成23年9月30日まで繰り越された。
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