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2010 年度 実績報告書

タバコアルカロイド生合成の制御遺伝子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 21770046
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

庄司 翼  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (40343272)

キーワードアルカロイド / ニコチン / 制御遺伝子 / ジャスモン酸 / 二次代謝
研究概要

植物由来のアルカロイドとして12,000以上の化学構造が知られており、その多くは重要な薬理成分として利用されてきた。タバコは根においてニコチンとその類縁ピリジンアルカロイドを生合成する。また、葉部への食害に応答してその生合成がジャスモン酸情報伝達系を介して誘導される。NIC制御遺伝子座が生合成を正に制御していることが遺伝学的に知られており、それらの変異アレルは低ニコチンタバコ品種の育種に利用されてきた。
NIC2遺伝子座に特定のサブファミリーに属する複数のERF型転写因子がクラスター化して存在し、nic2変異体では少なくとも7つのERF遺伝子が欠失していることを明らかとした。これらERF遺伝子はニチニチソウにおいてインドールアルカロイド生合成に関わるジャスモン酸誘導性転写活性化因子ORCA3と高い相同性を示した。タバコ培養根において過剰発現、発現抑制、及び、ドミナント抑制型の発現を行い、これらERF遺伝子が生合成のマスター制御因子であることを示すとともに、ERFはニコチン生合成遺伝子のプロモーター内に存在するGCC boxを認識し、生合成の既知の全構造遺伝子を特異的に活性化することを明らかとした。いずれのERF遺伝子も生合成器官である根で発現するとともに、ジャスモン酸によって誘導されたが、それらの誘導の時間依存的パターンは遺伝子メンバー間で異なっていた。互いに高い相同性を示すERF遺伝子群は遺伝子重複によって生じた後、それぞれが転写因子として機能分化したと考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Vacuolar-localized berberine bridge enzyme-like proteins are required for a late step of nicotine biosynthesis in tobacco.2011

    • 著者名/発表者名
      Kajikawa, Masataka
    • 雑誌名

      Plant Physiology

      巻: 155(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Clustered transcription factors regulate nicotine biosynthesis in tobacco.2010

    • 著者名/発表者名
      Shoji, Tsubasa
    • 雑誌名

      Plant Cell

      巻: 22 ページ: 3390-3409

    • 査読あり
  • [学会発表] Genetic analysis of alkaloid composition and translocation in wild Nicotiana species2010

    • 著者名/発表者名
      Phattharaporn, Pakdeechanuan
    • 学会等名
      SOL meeting
    • 発表場所
      Dundee, UK
    • 年月日
      2010-09-06
  • [図書] Nicotine biosynthesis (Plant metabolism and biotechnology)2011

    • 著者名/発表者名
      Shoji, Tsubasa
    • 出版者
      John & Sons(印刷中)
  • [図書] ジャスモン酸応答;COI1-JAZ-MYC2シグナリングカスケードの分子機構(植物の分子応答)2010

    • 著者名/発表者名
      庄司翼
    • 総ページ数
      5
    • 出版者
      共立出版社

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公開日: 2012-07-19  

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