研究課題
コドン使用頻度をフランキアに最適化したゲンタマイシン耐性遺伝子を人工合成し、形質転換を試みた。その結果、形質転換の成功率が有意に向上したことから、コドン使用頻度はフランキア細胞内での外来遺伝子の発現に重要であることが分かった。しかしながら、得られた形質転換体は依然不安定であり、spontaneous mutantの存在が示唆された。自殺基質5-fluoroorotic acid (5-FOA)を用いたスクリーニングにより、ウラシル要求性を示すフランキア変異株の単離に成功した。塩基配列解析により、pyrEもしくはpyrF遺伝子に点突然変異が起こっていることを確認した。これはフランキアにおいて塩基配列レベルで変異箇所が特定された初めての変異体である。この株に対して野生型のpyrF伝子をマーカー遺伝子として形質転換を行った結果、ウラシル要求性が相補された株が得られた。現在、得られた形質転換体の分子レベルでの特徴づけを行っている。根粒でのマイクロアレイ解析の結果、フランキアの染色体には根粒菌の共生アイランド様の領域は存在しないことが示唆された。系統的に遠縁の4種の宿主植物に着生した根粒中のトランスクリプトームは非常に似通っていた。フランキアと根粒菌の双方で根粒中で発現が誘導される遺伝子は極めて少なかった。そのほとんどは窒素固定酵素遺伝子であったが、電子伝達や窒素代謝に関わる遺伝子も含まれた。また、根粒中で活性化されるフランキア特異的な遺伝子も多数同定された。これらの遺伝子は共生窒素固定で重要な役割を担う可能性が高い。これらの結果を論文にまとめて投稿し、受理された。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (7件)
Mol Plant Microbe Interact (in press)
Science 327
ページ: 1122-1126
Appl Environ Microbiol 76
ページ: 1962-1964
Plant Physiol 151
ページ: 1965-1976
Microbes Environ 24
ページ: 231-240