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2010 年度 実績報告書

ERボディ形成に伴う小胞体の機能分化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21770057
研究機関基礎生物学研究所

研究代表者

山田 健志  基礎生物学研究所, 高次細胞機構研究部門, 助教 (00360339)

キーワード小胞体 / ERボディ / シロイヌナズナ / βグルコシダーゼ / 傷害 / 膜タンパク質 / オルガネラ / データベース
研究概要

シロイヌナズナの幼植物体の表皮細胞に細長い小胞体由来のオルガネラが出来ることを発見し,ERボディと名付けた.ERボディは成長した植物では消失するが,傷害により再び誘導されることから,虫害や病害に対する防御のためのオルガネラであると考えられている.転写制御因子であるNAI1,ERボディに局在するNAI2,ERボディの主要成分であるβグルコシダーゼ,PYK10がERボディ形成に必要であることを明らかにしてきたが,ERボディの膜タンパク質については不明であった.そこで,本年度ではERボディの膜タンパク質について解析を行った.データベースを用いた共発現解析により,PYK10やNAI2遺伝子と発現パターンがよく一致し,膜貫通ドメインをもつタンパク質をコードする遺伝子,Membrane of ER body 1(MEB1),MEB2を見いだした.nai1変異体を用いた解析から,MEB1とMEB2の発現はNAI1に制御されていることが明らかとなった.抗体や蛍光タンパク質との融合タンパク質を用いた局在解析から,MEB1,MEB2はERボディの膜に局在することが明らかになった.このことから,MEB1とMEB2はERボディの膜成分であることがわかった.meb1 meb2二重変異体では,野生株と同様にERボディが形成されていた.このことから,MEB1およびMEB2はERボディの形成には必要ではないことが明らかとなった.nai2変異体ではMEB1,MEB2は小胞体ネットワークに分散して局在した.ERボディの成分であるPYK10とNAI2を,ERボディを形成しないタマネギに共発現させることにより,ERボディを形成させることができる.PYK10,NAI2と同時にMEB2を発現させたところ,MEB2は人工的に形成されたERボディに局在した.このことから,NAI2により形成されたERボディにMEB1とMEB2が局在することで機能的なERボディの膜が形成されることが示唆された.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)

  • [雑誌論文] Unique defense strategy by the endoplasmic reticulum body in plants2011

    • 著者名/発表者名
      K., Yamada, et al
    • 雑誌名

      Plant Cell Physiol

      巻: 52 ページ: 2039-2049

    • 査読あり
  • [学会発表] NAI2によるERボディ成分の集積はERボディ形成に必要かつ十分である2011

    • 著者名/発表者名
      山田健志, 他
    • 学会等名
      第52回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      東北大学(宮城県)
    • 年月日
      20110320-20110322
  • [学会発表] Mechanisms of ER body formation and its possible function in Arabidopsis thaliana2010

    • 著者名/発表者名
      K.Yamada
    • 学会等名
      The 2nd NIBB-MPIZ Joint Symposium
    • 発表場所
      岡崎コンファレンスセンター(愛知県)
    • 年月日
      20101116-20101118
  • [学会発表] Expression of NAI2 and PYK10 is sufficient for the endoplasmic reticulum (ER) body formation in Arabidopsis2010

    • 著者名/発表者名
      K.Yamada, et al
    • 学会等名
      21st International Conference on Arabidopsis Research
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      20100606-20100610
  • [産業財産権] ERボディ形成能を有する遺伝子およびその利用2010

    • 発明者名
      山田健志, 他2名
    • 権利者名
      基生研,京大
    • 産業財産権番号
      国際特許:PCT2005-023928
    • 出願年月日
      2010-09-27
    • 外国

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公開日: 2013-06-26  

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