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2009 年度 実績報告書

ゲノムの多機能性を検証する:その意義とメカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 21770068
研究機関北海道大学

研究代表者

木村 敦  北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (90422005)

キーワード卵巣 / クロマチン / 転写調節 / ゲノム / エピジェネティクス
研究概要

本年度は申請者が注目している卵巣顆粒膜細胞で発現する3つの遺伝子を含むゲノム領域について、機能する配列の絞込みとエピジェネティックな調節の解析そしてトランスジェニックマウスの作製と解析を行った。Amhr2遺伝子について、発現調節の候補として同定している2つの機能領域におけるヒストンアセチル化レベルを調べた。その結果、Amhr2が発現していない肝臓において、イントロン中の機能領域が高いヒストンアセチル化を受けていることがわかった。このことはこの配列が肝臓で何らかの機能を持っていることを示唆する。そこで、その機能を確認するためにトランスジェニックマウスの作製を試みたところ、20以上の系統を確立することに成功した。Scd2遺伝子については、すでに同定していた3つの機能領域をさらに詳しく調べたところ、機能領域が実際には5つであることがわかった。この5つの領域の機能を調べるために昨年度作製していたトランスジェニックマウスの解析を行ったところ、これらの領域は卵巣ではなく精巣でエンハンサーとして働くことが示唆された。POP遺伝子については、データベース解析から2つのCpGアイランドを同定して、それぞれにおけるDNAメチル化パターンとヒストンアセチル化パターンを調べた。その結果、プロモーター付近に存在するCpGアイランドでは肝臓と卵巣の間でエピジェネティックなパターンに差は見られなかったが、エクソン15付近に存在するCpGアイランドでは、卵巣特異的な脱メチル化と高レベルのヒストンアセチル化が検出された。このことからエクソン15付近のCpGアイランドがPOP遺伝子の卵巣における高い発現に関与している可能性が考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Expression and localization of collagen type IV αI chain in the medaka ovary2010

    • 著者名/発表者名
      Kato Y., Ogiwara K., Fujimori C., Kimura A., Takahashi T.
    • 雑誌名

      Cell and Tissue Research (未定, 印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Two distinct localization patterns of testis-specific serine protease 1(TESSP1)in the seminiferous tubules of the mouse testis2009

    • 著者名/発表者名
      Takano N., Kimura A., Takahashi T.
    • 雑誌名

      Zoological Sciences 26

      ページ: 294-300

    • 査読あり
  • [学会発表] DNAメチル化によるハウスキーピング遺伝子の発現量の調節2009

    • 著者名/発表者名
      松原伸、木村敦
    • 学会等名
      第34回日本比較内分泌学会年会
    • 発表場所
      大阪千里ライフサイエンスセンター
    • 年月日
      2009-10-23
  • [学会発表] マウス精巣特異的TESSPクラスターの発現解析2009

    • 著者名/発表者名
      米田竜馬、高橋孝行、木村敦
    • 学会等名
      第80回日本動物学会大会
    • 発表場所
      東静岡市
    • 年月日
      2009-09-17
  • [学会発表] マウスの初期発生におけるプロリルオリゴペプチダーゼのエピジェネティックな発現調節2009

    • 著者名/発表者名
      松原伸、木村敦
    • 学会等名
      第80回日本動物学会大会
    • 発表場所
      東静岡市
    • 年月日
      2009-09-17

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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