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2010 年度 実績報告書

メダカ成体卵巣内生殖幹細胞とニッチの細胞学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 21770072
研究機関基礎生物学研究所

研究代表者

中村 修平  基礎生物学研究所, 生殖遺伝学研究室, 特別協力研究員 (00510611)

キーワードメダカ / 生殖幹細 / sox9 / 形態・構造 / 卵巣 / ニッチ
研究概要

脊椎動物の成体卵巣に、生殖幹細胞およびそのニッチ構造が存在するかは不明であった。我々は、メダカ成体卵巣のgemminal epitheliumに、sox9b発現細胞と卵形成初期の生殖細胞で構成される約600個の単位が存在することを見いだし、この単位にGerminal cradleと名前を付けた。個々のgerminal cradleには形態的に3種類の生殖細胞が存在した。1つ目は一つ一つの生殖細胞がsox9b発現細胞に取り囲まれて独立している生殖細胞(Gs型)、2つ目は複数の生殖細胞が単位となってsox9b発現細胞に取り囲まれているシスト型生殖細胞(Gcys型)、3つ目は減数分裂のディプロテン期の生殖細胞(Gdip型)である。以前、我々は、nanos2が精原細胞および卵原細胞で発現していることを見いだしていたため、germinal cradle内でのnanos2の発現を調べたところ、Gs型生殖細胞のみで発現していることが明らかとなった。そこで、nanos2発現細胞の中に生殖幹細胞が存在しているのではないかと考え、nanos2発現細胞のクローン解析を行ったところ、次世代に寄与する卵はすべてこのnanos2を発現細胞が供給していることが明らかとなった。さらに、成体卵巣をbusulfan処理すると、nanos2を発現するGs型の生殖細胞のみが残るが、3ヶ月後にはシスト型生殖細胞をもつgerminal cradleが回復するという結果が得られた。これらの結果は、nanos2発現細胞の中に配偶子幹細胞が存在していることを示唆していると同時に、sox9b発現細胞から構成されるgerminal cradleには、生殖幹細胞ニッチが何らかの形で存在していることを示している(Nakamura, et al., Science,2010)。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Identification of germline stem cells in the ovary of the teleost medaka2010

    • 著者名/発表者名
      Shuhei Nakamura
    • 雑誌名

      Science

      巻: 328 ページ: 1561-1563

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Transcriptional rewiring of the sex determining dmrt1 gene duplicate by transposable elements.2010

    • 著者名/発表者名
      Amaury Herpin
    • 雑誌名

      PLoS Genetics

      巻: 6 ページ: e1000844

    • 査読あり
  • [雑誌論文] メダカ卵巣の配偶子幹細胞2010

    • 著者名/発表者名
      中村修平
    • 雑誌名

      細胞工学

      巻: 29 ページ: 664-669

  • [学会発表] Sox9b function in Germline Stem Cell niche in the ovary of teleost fish, medaka2010

    • 著者名/発表者名
      Shuhei Nakamura, Ikuko Watakabe, Atsushi Toyoda, Yoshihito Taniguchi, Minoru Tanaka
    • 学会等名
      Cold Spring Harbor Laboratory, Germ cell meeting
    • 発表場所
      Cold Spring Harbor Laboratory (New York, USA)
    • 年月日
      20101005-20101009
  • [学会発表] メダカ(Oryzias latipes)卵巣生殖幹細胞の同定2010

    • 著者名/発表者名
      中村修平
    • 学会等名
      第81回日本動物学会大会
    • 発表場所
      東京大学・駒場キャンパス(東京)
    • 年月日
      2010-09-23
  • [備考]

    • URL

      http://www.nibb.ac.jp/press/100521/100521.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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