研究課題
時計遺伝子突然変異体等の行動解析前年度までに構築した短い時間スケールでの行動解析システム利用した歩行活動解析を継続して行った。昨年解析した、短周期型per^S・長周期型per^Lの突然変異体を用いた歩行活動解析では、per^L突然変異体は歩行活性が高く歩行持続時間が長くなる傾向が見られた一方、per^S突然変異体は歩行活性が低く長時間歩行活動を停止する個体が多かった。これは歩行活動持続時間の長短とサーカディアンリズム周期の長短の対応関係を示唆するデータであった。平成22年度は歩行活動以外の行動として、求愛活動に注目した実験を行った。per^L突然変異体では雄の求愛歌の周期が長くなり、per^S突然変異体ではその周期が短くなることが報告されている。時計遺伝子機能が短時間の行動発現に寄与しているならば、雄の求愛歌の生成のリズムだけではなく、求愛歌の受容に関わる雌側のリズムにも影響を与え、同じリズムの個体に対する求愛の受入のほうがより安定している可能性がある。そこで、両突然変異体を用いて交尾成功率の比較を行った。その結果、同一遺伝型の雄雌の方が異なる遺伝型のペアに比べて交尾に至るまでの時間が短い傾向があった。求愛・交尾行動は個体ごとのばらつきが大きいため、今後、より個体数を増やした実験を行う必要がある。
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