• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

そしゃく行動に関わるインシュリンによる体液性調節機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 21770081
研究機関徳島文理大学

研究代表者

定本 久世  徳島文理大学, 香川薬学部, 助教 (70374220)

キーワード行動学 / 神経化学 / 脳・神経 / 分子生物学 / 体液性調節
研究概要

申請者は、行動変化に関わる神経機構における体液性調節機構の働きを明らかにすることを目的とし、研究を進めている。軟体動物モノアラガイは神経細胞が大きく、そしゃく行動に関連する神経回路が明らかにされている。また、味覚を用いた連合学習ではインシュリン様遺伝子が成績によって変化することが示されている。本研究では、実験動物の利点を生かして「そしゃく神経回路」と「味覚嫌悪学習」に関わる「インシュリン作用機構」の研究を行った。平成21年度は、学習に関わる神経回路におけるインシュリンシグナル応答細胞および応答分子の探索を行った。インシュリンシグナル経路の下流で働く転写調節因子FoxOは、線虫から哺乳類まで広く存在する分子であり、リン酸化と細胞内局在によってインシュリンシグナルのマーカーとして利用できる。このため、まずモノアラガイにおけるFoxO遺伝子クローニングおよび抗体の検討を行った。その結果、モノアラガイ中枢神経系におけるFoxO遺伝子(LymFoxO)を同定し、そのアミノ酸配列が高い種間保存性を示すことを確認した。また、哺乳類FoxOに対する市販抗体の抗原部位配列も保存されていたため、同抗体を用いた免疫組織化学法によりインシュリンシグナル応答細胞の探索を行った。その結果、そしゃく神経回路の多くが含まれる口球神経節のニューロンでは、他の神経節のニューロンに比べてインシュリン処理に対するFoxOリン酸化の感度が良い傾向があることがわかった。以上により、モノアラガイのインシュリン経路のマーカーを確定し、味覚を用いた連合学習に関わるそしやく神経回路においてはインシュリン作用を確認した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 軟体動物腹足類の長期記憶形成に関わる分子メカニズム2010

    • 著者名/発表者名
      定本久世
    • 雑誌名

      日本比較生理生化学会誌 26(4)

      ページ: 163-168

    • 査読あり
  • [学会発表] Gene expression of neuronal nitric oxide synthase in the mollusk, Lymnaea stagnalis2009

    • 著者名/発表者名
      定本久世
    • 学会等名
      日本生物物理学会
    • 発表場所
      アスティとくしま(徳島県)
    • 年月日
      2009-10-31
  • [学会発表] Neuronal nitric oxide synthase in the pond snail, Lymnaea stagnalis2009

    • 著者名/発表者名
      定本久世
    • 学会等名
      北米神経科学会2009
    • 発表場所
      シカゴ(アメリカ合衆国)
    • 年月日
      2009-10-21
  • [学会発表] ヨーロッパモノアラガイにおける神経型一酸化窒素合成酵素(nNOS)の発現解析2009

    • 著者名/発表者名
      定本久世
    • 学会等名
      日本動物学会
    • 発表場所
      静岡グランシップ(静岡県)
    • 年月日
      2009-09-17
  • [学会発表] モノアラガイにおける神経型一酸化窒素合成酵素(nNOS)の発現解析2009

    • 著者名/発表者名
      定本久世
    • 学会等名
      無脊椎動物神経研究会
    • 発表場所
      竹富町上原地区公民館(沖縄県)
    • 年月日
      2009-09-03

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi