研究課題
本年度はいくつかのParasitodiplogaster属線虫を採集し、その口腔形態の観察、及び投稿論文としての結果の公表を予定していた。また、比較対照とするための他のDiplogastridae科の複数種に関して口腔形態と分子系統関係を解明するという作業を同時に行った。この結果、Diplogastridae科の線虫に関しては、約15種を得ることができ、それらの系統解析もほぼ終了した。また、調査においては、予定数のParasitodiplogaster属線虫の標本を得たが、これらは調査地の輸出許可が遅れているため、現地の研究協力者が保管している。許可証が交付され次第日本に発送される予定である。さらに、これまでにパナマ、オーストラリアで得られていた標本を観察、解析し、Parasitodiplogaster属の口腔形態が非常に多様であるということを確認できた。この結果は、アメリカ線虫学会大会でポスター発表し、投稿論文として、Nematology誌に掲載された。また、この属に近縁のTeratodiplogaster属を新属としてZpplogical Science誌に、同じくオーストラリアから得られたParasitodiplogaster属の1新種を共著者の一人としてNematology誌に記載した。他の環境に生息する線虫類と比べると、イチジク集合花内部居住性線虫の口腔形態の非常な多様化が確認された。
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Nematology 12
ページ: 89-104
Zoological Science 26
ページ: 569-578
Nematology 11
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