研究概要 |
(1) 抗体を用いた完全長FtsHのX線結晶構造解析 膜タンパク質の結晶化に有効な手段として抗体を用いた結晶化技術がある。抗体を作製する部位の発現系を構築中である。 (2) 様々な反応状態のFtsHのX線結晶構造解析 これまでの申請者らの構造解析研究によって、FtsHはATP加水分解とともにダイナミックな構造変化を起こし、その動きによって基質タンパク質を内部に送り込むと考えられた。しかし、現段階ではFtsHの六量体構造はADP結合状態が解かれたのみで、他の反応状態の構造は不明である。したがって、FtsHの基質とりこみ機構の構造的基盤を完全に明らかにしたとは言い難い。本研究では様々なヌクレオチド結合状態でのFtsHの構造を決定し、その反応状態のスナップショットをつなぎ合わせることによってFtsHのATP加水分解に伴う構造変化を解明することを目的とする。現在,ATP加水分解中間体のATPアナログ存在下で3.5A分解能のデータを得ており、現在解析中である。 (3) 構造安定化変異体のスクリーニング 既に知られている構造情報を元にして主准変異体を作成中である。
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