研究課題
本研究の目的である多成分複合体によるFe-S クラスター合成機構および機能調節機構の解明に向けて、平成22年度は以下の項目を実施した。1.Fe-Sクラスター合成に関わるタンパク質複合体の調製前年度までに、Fe-Sクラスター合成に関わるタンパク質複合体(SufB-SufC-SufD複合体)に形成されるFe-S クラスター中間体を捕捉に成功した。今年度は、この複合体にさらにフラビン(FAD)が結合した状態の捕捉・精製を試みた結果、嫌気条件(無酸素条件)かつ光還元条件下で、SufB-SufC-SufD複合体はFADと結合することを確認した。2.Fe-S クラスター合成における電子供与体fdxの発現・精製前年度に同定したIscS-IscU複合体には、Fe-Sクラスターをもつ電子供与体フェレドキシン(fdx)が結合することを予想している。そこで、大腸菌におけるfdx発現とその精製を試み、高純度のfdxを得た。3.多成分複合体のX線結晶構造解析精製条件を確立したFe-Sクラスター合成に関わる複合体タンパク質(SufB-SufC-SufD複合体、SufB-SufC複合体、IscS-IscU複合体およびIscS-IscU-fdx複合体)の結晶化条件を探索した。このうち、IscS-IscU複合体について良質な結晶を得た。大型放射光施設SPring-8において回折X線測定し、IscS-IscU複合体結晶については3.3A分解能の強度データを収集した。さらに、この複合体結晶には鉄原子が結合していることをX線吸収スペクトルにより明らかにした。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)
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http://www.dma.jim.osaka-u.ac.jp/kg-portal/aspI/RX0011D.asp?UNO=18665&page=