IR-sEGFPおよびEGFR-mCherryの安定発現株をCHO-K1細胞にて作成し、これに成功した。この細胞株において膜脂質の組成を外因的に調節するために、コレステロースを包括し除去する試薬であるMβCDを用いてFRAP測定を行った。その結果、動的比率が11~13%程度減少した。また、IR-sEGFPにおいて糖脂質生合成阻害剤D-PBPPによる処理を行ったところ、MβCDとは逆に動的比率が0.76から0.82に増加した。 この結果は、膜受容体が複数の領域(マイクロドメインを含む)に存在し、領域ごとに受容体の活性調節が行われている可能性を示しており、生細胞において1分子観察以外の方法でマイクロドメインの存在を示す重要な証拠となり得る。
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