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2009 年度 実績報告書

天然変性タンパク質としての観点に基づくiPS細胞誘導因子Sox2の動態と機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 21770126
研究機関(財)サントリー生物有機科学研究所

研究代表者

菅瀬 謙治  (財)サントリー生物有機科学研究所, 主席研究員 (00300822)

キーワード分子認識および相互作用
研究概要

ips細胞誘導因子の1つである転写因子Sox2のDNA認識機構を分子の動きの面から明らかにするべく、本年度は、遊離状態のSox2が元々どのような運動性を示すのかについて集中的に解析を行った。まずは大腸菌発現系を用いて、NMR測定用に安定同位体標識したSox2の大量発現系の構築を行った。初めは、フレキシブルな蛋白質の発現に定評のあるGB1タグを用いてGB1融合蛋白としてSox2の大量発現を目指したが、GBl切断における副反応が多く、あまり収量よくSox2を調整できなかった。そこで次にタグなしで発現・精製の条件検討を行ったところ、IPTGによる発現誘導後に25℃で1晩培養し、陽イオン交換カラム、ハイドロキシアパタイトカラム等で精製することにより、収率よくSox2を調製できることが分かった。そこでこの系で[^<13>C,^<15>N]-Sox2を大量に調整し、まずは各種3次元NMR測定を行いSox2のペプチド主鎖のNMRシグナル帰属の帰属を行った。得られた化学シフトの解析から、二次構造解析を行ったところ、Sox2は遊離状態でも結合状態とほぼ同じ領域に3本のαヘリックスを持っていることが分かった。次に、遊離Sox2の揺らぎをを解析するために、[^<2>H,^<15>N]-Sox2を調整し、600MHzと750MHzのNMRを用いて緩和分散実験を実施した。得られた緩和分散曲線を解析した結果、Sox2の第1ヘリックスおよび(DNA結合型構造で)それとコンタクトしている他のヘリックスの領域が、特定の構造間で大きく揺らいでいることが分かった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Calcitonin in a protochordate, Ciona intestinalis-the prototype of the vertebrate calcitonin/calcitonin gene-related peptide superfamily2009

    • 著者名/発表者名
      Sekiguchi T, Suzuki N, Fujiwara N, Aoyama M, Kawada T, Sugase K, Murata Y, Sasayama Y, Ogasawara M, Satake H
    • 雑誌名

      FEBS J. 276

      ページ: 4437-4447

    • 査読あり
  • [学会発表] 動きの面から見た核内タンパク質の機能2010

    • 著者名/発表者名
      菅瀬謙治
    • 学会等名
      ターゲットタンパク研究プログラム第3回研究交流会
    • 発表場所
      東京大学(東京)
    • 年月日
      2010-03-04
  • [学会発表] 天然変性状態と機能の相関2009

    • 著者名/発表者名
      菅瀬謙治
    • 学会等名
      第32回日本分子生物学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜)
    • 年月日
      2009-12-11
  • [学会発表] Elucidation of protein-protein interactions by relaxation NMR spectroscopy2009

    • 著者名/発表者名
      菅瀬謙治
    • 学会等名
      The 3rd APNMR Biannual Asia-Pacific NMR Symposium
    • 発表場所
      Ramada hotel(Jeju, Korea)
    • 年月日
      2009-10-27
  • [学会発表] 天然変性タンパク質の構造と機能の最前線2009

    • 著者名/発表者名
      菅瀬謙治
    • 学会等名
      第49回 生命科学 夏の学校
    • 発表場所
      神戸セミナーハウス(三田)
    • 年月日
      2009-08-30
  • [図書] Water and Biomolecules : Physical Chemistry of Life Phenomena(Biological and Medical Physics, Biomedical Engineering)(ed.Kuwajima K, Goto Y, Hirata F, Terazima M, Kataoka M)2009

    • 著者名/発表者名
      Wright PE, Felitsky DJ, Sugase K, Dyson HJ
    • 総ページ数
      307
    • 出版者
      Springer-Verlag

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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