• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

MAPKKK活性化の時空間動態を指標とするストレス受容機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21770137
研究機関東京大学

研究代表者

冨田 太一郎  東京大学, 医科学研究所, 助教 (70396886)

キーワードストレス / キナーゼ / イメージング / FRET
研究概要

哺乳類細胞が物理化学ストレスをどのように受容し、どのように細胞内情報伝達を開始して細胞応答を引き起こすのかは生物学的にも医学的にも重要な難問題である。本研究では、ストレスによるMAPKシグナル経路活性化の時間空間的パターンを明らかにして、さらに、これを指標に未知のストレス受容分子を探索することを目的とする。まず、生きた細胞内でストレスに依存してMAP3K活性化が細胞内のどこから開始されるのかを解析した。細胞膜、細胞質、核内の3ヵ所にMAP3K活性可視化プローブを局在化させた各細胞において、浸透圧刺激は細胞膜でのシグナルを引き起こす一方、紫外線やタンパク合成阻害ストレスの場合、細胞質からシグナルが生じることが明らかになった。細胞表面の受容体からのシグナルは細胞膜からシグナルを生じる場合と、細胞膜と細胞質の両方からシグナルが出る場合の少なくとも2つのパターンがあることも明らかになった。次に、上流因子を同定するためのhi-throughput測定系の構築を行った。特に、紫外線などは上流因子が不明である点に着目し、恒常的にプローブを細胞質に発現するHEK293細胞を樹立し、実際に実験系が機能することを、顕微鏡下でストレス応答シグナルを検出して確認した。この細胞を96孔のプレート上で培養し、プレートリーダー上で蛍光測定を行うことに成功した。また、独立に、MAP3KのRNAi阻害実験を行い、TNF-alphaによる細胞質のストレス応答MAP3K活性化はTAK1に依存することも明らかにした。
Hi-throughput測定に耐えるためには今後も最適化が必要であるものの、生きた細胞におけるストレス応答経路活性化の実時間測定はまだ世界でも類を見ない成果であり、一部を論文として発表した(MCB 2009, Tomida et al.)。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Stimulus-Specific Distinctions in Spatial and Temporal Dynamics of Stress-Activated Protein Kinase Kinase Kinases Revealed by a Fluorescence Resonance Energy Transfer Biosensor2009

    • 著者名/発表者名
      Taichiro Tomida, Mutsuhiro Takekawa, Pauline O'Grady, Haruo Saito
    • 雑誌名

      Molecular and Cellular Biology 29

      ページ: 6117-6127

    • 査読あり
  • [学会発表] SPATIO-TEMPORAL DYNAMICS OF STRESS-ACTIVATED MAP3K ACTIVITY REVEALED BY A NOVEL FRET BIOSENSOR2010

    • 著者名/発表者名
      Taichiro Tomida, Mutsuhiro Takekawa, Pauline O'Grady, Haruo Saito
    • 学会等名
      Biophysical Society 54th annual meeting
    • 発表場所
      アメリカ合衆国サンフランシスコ
    • 年月日
      2010-02-24

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi