高効率に最大で数千個の生細胞からのFRETシグナルを一度に可視化する実験系を作成し、詳細なMAPKおよびMAP3K活性の時系列データを大量に取得可能になった。この系で細胞内局所のキナーゼ活性を解析した結果、翻訳阻害剤(アニソマイシン)や紫外線、インターロイキン1で刺激した細胞では、細胞質でp38が強く応答することが確認された。さらに、個々の細胞の応答性については従来測定が困難であったが、本実験系を用いて、翻訳阻害ストレス下では、細胞質のp38はどの用量でも細胞毎に均一に揃って同程度に活性化されている(graded-response)ことが初めて明らかになった。
|