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2010 年度 実績報告書

出芽酵母におけるスフィンゴ糖脂質の意義を探る

研究課題

研究課題/領域番号 21770148
研究機関東北薬科大学

研究代表者

上村 聡志  東北薬科大学, 薬学部, 助教 (10399975)

キーワードスフィンゴ糖脂質 / 出芽酵母 / 糖転移酵素 / 糖鎖生物学
研究概要

出芽酵母におけるスフィンゴ糖脂質(GSL)の意義を明らかにするために,以下の3つの課題に関して検討を行った.
1.GSL検出プローブの作製
21年度に調製した抗原(IPC,MIPC,M(IP)_2Cの混合物)を用い,モノクローナル抗体の作製を行った.その結果,IPC,MIPC,M(IP)_2Cの全てに反応するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを得た.現在,その抗体の性質を詳しく調べている.
2.GSL改変酵母における細胞膜タンパク質の挙動解析
21年度に構築したFRAP解析の実験系を用いて,様々なGSL改変酵母における膜タンパク質の流動性を解析した.その結果,特に△sur2△csg1△csh1変異体において,膜タンパク質の動く分子の割合が著しく低下し,動く速度も低下した.この結果は,GSLの糖鎖部分の短縮と脂質部分の水酸基(スフィンゴイド塩基の4位)の欠失が,膜の流動性を著しく低下させることを示唆している.
3.Csh1へのマンナン付加メカニズムの解明
MIPC合成酵素であるCsh1とCsg1は相補的な機能を持つが,それぞれに付加されるN結合型糖鎖の構造は大きく異なる.Csg1の糖鎖は,一般的な細胞内タンパク質に見られるコア型糖鎖であるが,Csh1の糖鎖は細胞膜タンパク質などに見られるマンナン型糖鎖である.Csh1とCsg1において内腔側の相同性は非常に高いが,糖鎖付加の位置が異なる.そこで,Csg1にCsh1と同様の部分に糖鎖付加部位を導入した所,新たに付加されたN結合型糖鎖はマンナン型となった.この結果から,Csg1はCsh1と同様にマンナン型糖鎖へ修飾されるポテンシャルを持つことが示された.つまり,マンナン型糖鎖の修飾には糖鎖付加部位の位置情報も重要であることが示唆された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 出芽酵母において,複合型スフィンゴ脂質の組成変化が細胞膜タンパク質の側方拡散を低下させる2010

    • 著者名/発表者名
      上村聡志
    • 学会等名
      第33回 日本分子生物学会年会 第86回 日本生化学会大会 合同大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(神戸)
    • 年月日
      2010-12-09
  • [学会発表] Phyto-type glycosphingolipids participate in the regulation of the lateral diffusion of plasma membrane proteins2010

    • 著者名/発表者名
      上村聡志
    • 学会等名
      The 27th NAITO CONFERENCE ON Membrane Dynamics and Lipid Biology [I]
    • 発表場所
      シャトレーゼ ガトーキングダム サッポロ(札幌)
    • 年月日
      2010-06-30

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公開日: 2012-07-19  

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