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2009 年度 実績報告書

脱凝集活性を持つ分子シャペロンClpBの構造変化と機能

研究課題

研究課題/領域番号 21770151
研究機関甲南大学

研究代表者

渡辺 洋平  甲南大学, 理工学部, 講師 (40411839)

キーワード分子シャペロン / 凝集体 / 脱凝集 / ClpB / AAA / DnaK
研究概要

分子シャペロンClpBは、他の分子シャペロンDnaKとその補助因子であるDnaJ、GrpEと協力して、凝集タンパク質を再生すること(脱凝集)ができる特異な分子シャペロンである。ClpBはNドメイン、AAA1、ミドルドメイン、AAA2、の4つのドメインからなる。また、ClpBはリング状の6量体を形成して働くが、凝集したタンパク質をそのリングの中央の孔に通すようにしてほぐす活性(糸通し活性)を持つといわれている。
ClpBの6量体はそれほど安定ではなく、タンパク質濃度、塩濃度、温度などの条件に応じて解離会合を繰り返すため、生化学的実験の解釈が複雑になってしまうことが多い。そこで今回、ClpB6量体中の隣り合うサブユニットをジスルフィド結合で固定し、6量体構造の崩れないClpBを作成した。このClpBを用いることで、ClpBが働く上で、6量体が解離会合することの意義や、6量体中のサブユニット間の協同性について詳しく検証できるものと期待される。
また以前、好熱菌のClpBに変異を導入し、ClpPというプロテアーゼを結合させることによって、ClpBの糸通し活性を、基質タンパク質の分解という形で検出する系を作成している。現在、この実験系を用いて、AAA1、AAA2それぞれへのATPの結合やその加水分解、ClpBリングの中央に保存された芳香族アミノ酸などの、糸通し活性への関与について解析を進めている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Stability of the two wings of the coiled-coil domain of ClpB chaperone is Critical for its disaggregation activity2009

    • 著者名/発表者名
      Yo-hei Watanabe, Yosuke Nakazaki, Ryoji Suno, Masasuke Yoshida
    • 雑誌名

      Biochem.J. 421

      ページ: 71-77

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Temperature-dependent regulation of Thermus thermophilus DnaK/DnaJ chaperone by DafA protein2009

    • 著者名/発表者名
      Tadashi Mizutani, Shohei Nemoto, Masasuke Yoshida, Yo-hei Watanabe
    • 雑誌名

      Genes to Cells 14

      ページ: 1405-1413

    • 査読あり
  • [学会発表] サブユニット間ジスルフィド結合による分子シャペロンClpBの6量体構造の固定化2009

    • 著者名/発表者名
      中村俊樹、中崎洋介、渡辺洋平
    • 学会等名
      第82回日本生化学会大会
    • 発表場所
      神戸国際展示場
    • 年月日
      2009-10-22
  • [学会発表] ClpB変異体の基質糸通し活性の解析2009

    • 著者名/発表者名
      中崎洋介、水野さやか、渡邊久美子、中村俊樹、吉田賢右、渡辺洋平
    • 学会等名
      第82回日本生化学会大会
    • 発表場所
      神戸国際展示場
    • 年月日
      2009-10-22
  • [学会発表] 分子シャペロンClpBにおけるミドルドメインWing-2の保存荷電残基の重要性2009

    • 著者名/発表者名
      渡邊久美子、中村俊樹、中崎洋介、水野さやか、吉田賢右、渡辺洋平
    • 学会等名
      第82回日本生化学会大会
    • 発表場所
      神戸国際展示場
    • 年月日
      2009-10-22

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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