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2010 年度 実績報告書

哺乳類概日時計タンパク質の生化学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 21770153
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

中嶋 正人  独立行政法人理化学研究所, システムバイオロジー研究プロジェクト, 研究員 (50432232)

キーワード概日時計 / 温度補償性 / CKIε/δ / タンパク質間相互作用 / タンパク質大量発現
研究概要

概日リズム発振に必須と考えられている非線形性・時間遅れや周期の温度非依存性(温度補償性)などの特性をもたらす分子機構の詳細な解析を目的として、1.時計タンパク質の精製、および2.時計タンパク質の生化学的解析を行った。
1.時計タンパク質の精製
哺乳類概日時計で中心的役割を担うPERIODタンパク質の発現・精製を試みた。大腸菌発現系を用いてPERIOD2単独もしくは他の時計タンパク質との共発現を試みたところ、Casein kinase Iε (CKIε)の共発現させることで、大腸菌内でのPERIODの安定な発現と精製に成功した。
2.時計タンパク質の生化学的解析
既に我々はPERIOD2のリン酸化部位由来のペプチド基質のCKIεによるリン酸化反応は温度非依存であることを明らかにしている(Isojima, et al., PNAS, 2009)。このペプチド基質内のリン酸化部位の同定を試みたところ、少なくとも6ヶ所のリン酸化部位がペプチド基質内に存在することが明らかになった。このうち最もリン酸化効率の高い2ヶ所のアミノ酸残基にリン酸機を導入したペプチドとの相互作用を測定したところ、リン酸化ペプチドとの相互作用は非リン酸化ペプチドと比べ強固であることが分かった。またリン酸化状態依存的に相互作用の強度が変わることも明らかになった。このリン酸化に依存したペプチド基質との相互作用の変化は、リン酸化反応が温度依存性を示す基質では観察されない。これらの成果は、他段階リン酸化反応とリン酸化状態依存的な相互作用変化が、反応の温度非依存性と非線形性を生み出す上で重要な役割を担っていることを示唆するものである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 概日時計システムの生化学および構成的アプローチ2011

    • 著者名/発表者名
      中嶋正人
    • 雑誌名

      生化学

      巻: 83 ページ: 41-45

  • [学会発表] 哺乳類概日時計における温度補償性の解析と制御2010

    • 著者名/発表者名
      中嶋正人、小山洋平、上田泰己
    • 学会等名
      第17回日本時間生物学会学術大会
    • 発表場所
      早稲田大学国際会議場、東京
    • 年月日
      20101120-20101121
  • [学会発表] 概日時計システムの蛋白質科学2010

    • 著者名/発表者名
      中嶋正人, 他3名
    • 学会等名
      第10回日本蛋白質科学会年会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター、札幌
    • 年月日
      20100616-20100618

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公開日: 2012-07-19  

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