研究課題
1.大腸菌CFT073 Vgr蛋白質の発現系の作製PCRで大腸菌CFT073ゲノムよりvgrG遺伝子を増幅した後にpUC18ベクターでクローニングをした。その後vgrG遺伝子をpET29aベクターへ移して発現用ベクターとした。なお発現ベクターは各VgrG蛋白質につきC末端にHis-tagを付加したもの(-hisと表記)と野生型のもの(WTと表記)の2種類を作成した。2.大腸菌CFT073のVgrG蛋白質の発現・可溶化・精製大腸菌CFT037のVgrG蛋白質の発現ベクターを用いてBL21(DE3)を形質転換し、37℃のLB培地で1mMのIPTGにより発現誘導を行った。集菌した菌体を超音波破砕して遠心により可溶性画分と不溶性画分に分けたところ発現は見られたものの大部分が不溶性画分に存在していた。このため発現温度などを変えてVgrG蛋白質の可溶化を検討したところVgrG-c3393-hisにおいて25℃のLB培地、0.1mM~1mMのIPTGでおよそ2割程度を可溶性画分に回収できた。しかしながらVgrG-c1883-his、VgrG-c1888-hisは依然として可溶性画分の収率が悪く精製を行うには至らなかった。可溶性画分に得られたVgrG-c3393-hisはNiアフィニティークロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィーで精製を行った。3.VgrG-c3393-hisの性状解析精製したVgrG-c3393-hisのCDスペクトルを測定し解析プログラムCONTINLLで解析したところ、βシート構造に富んでいることが分かった。次にVgrG1-hisを沈降速度法により分析し、データをSEDFITで解析したところ沈降係数の分布関数c(s)は、9.1S(95%)の主要ピークが得られた。c(s)をc(M)に変換した結果、9.1Sの主要ピークは247kDaを示し、VgrG-c3393-his(92kDa)は3量体を形成していると結論された。
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