研究課題
細菌は好む環境に集合し、好まざる環境から逃避する性質(走性)を示し過酷な環境を生き抜く。これは環境を認識する受容体(レセプター)と運動器官(べん毛モーター)により担われる。本研究ではレセプター研究での経験を生かし、べん毛モーター研究(相互作用・イオン透過・構造変化)に踏み出した。今年度は以下のことに取り組んだ。1)PomA、PomB、FliGの発現・精製:前年度に行ったPomBの発現系を発展させ、PomA、FliGについて様々な発現系・精製系の立ち上げを試み、純度の高い標品を得た。これにより、以下の2)3)の測定が可能となった。2)PomA-FliG間の定量的相互作用解析:PomA-FliGの化学量論比・解離定数を求める定量的相互作用系を確立を試みた。溶液NMR法を用いた解析から、^<15>Nラベル化試料の調製・相互作用に伴う信号消失を見出し、結合残基・パラメーターを算出した。また、変異体を用いてその妥当性を検討した。3)チャネル複合体(PomA/PomB)の構造変化・イオン透過機構:構造変化・イオン透過機構解析は、NMR法とFTIR法の2つに力を入れた。FTIRにおいては、前年度にNa^+存在下・非存在下での差スペクトルから、PomBのAsp24がNa^+との結合部位であることを証明した。今年度は他にAsp31(PomA)がNa+結合に関与することを見出した。また、変異体を用いて、イオン結合に伴う構造変化と機能の相関を解析した。
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